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展開図を見て見えてくる景色

2/14のブログです。


こんばんは。

法善寺住職の中山龍之介です。


お寺にも、雛人形が飾られました。姉が生まれたタイミングでやってきた雛人形ですのでしばらくお休みしていましたが、その姉に子供が生まれてからまた飾られるようになりました。


自宅の雛人形はお内裏さまとお雛様のみですが、お寺のは7段飾りのマックスバージョンです。自宅に迎えた雛人形についてきた絵本曰く、雛人形は女の子の結婚式を表しているそうです。生まれた女の子が将来幸せな結婚が出来ますようにと願って飾られるそうですが、こういった日本の文化もLGBTQの流れや結婚への価値観などで、ゆくゆくは無くなっていくのかなーと憂いてしまいます。


兎にも角にも、法善寺では3月3日までは床の間で飾っております。法事などでお越しの際には、是非ご覧くださいませ。


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展開図を見て見えてくる景色

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今日はそんな雛人形が見守る中、設計事務所さんと建替えに向けての打ち合わせがありました。前回から打ち合わせの頻度がペースアップしていて、これからは2週間に一度打ち合わせをしていきます。こちらも大変ですが、実際手を動かしてらっしゃる設計事務所さんの方が遥かに大変ですので、ありがたい限りです。


大まかな図面はほぼ完成していますので、前回くらいからは各部屋の展開図を見せていただきながら微調整をしております。展開図とは、サイコロを展開するかのように、各部屋を展開した図面のことです。


今日は一階のお寺部分を中心にご説明いただきました。自分としては、真上から見た図面の時点でも十分に各部屋をイメージできているつもりでしたが、実際に展開図を見てみると『あれ、ここってこんな狭いの?』とか、『この部屋、こんな景色なの?』みたいなことが発生してきます。各部屋の展開図を作成するのはかなりのお手間かと思いますが、こういう発見があるのでとても助かります。こういう細かい気遣いというかフォローが、川口通正建築研究所の良いところだと思っています。


お座敷は、畳を敷いて、障子を立てて、床の間作って、という感じなので完全に和風です。さすがは日本建築、色々と細かいところでルールというかしきたりというか、『こうした方が見栄えも機能も良いよね』みたいなポイントがあります。


今日お話を聞いていて面白かったのは、床の間の作り方です。『床板』によって地面が少し高くなっているのは想像できていましたが、実は上から『落とし掛け』という壁が降りてきています。これによって、①床板(地)・落とし掛け(天)・床柱(左右)の四方が固められて床の間全体が額縁のような見え方になる、②掛け軸を吊るす器具が隠れるので見栄えが良い、という利点が出てきます。


主役はあくまで掛け軸なのですが、それをよく見せるためにどうするのか、という工夫が床の間には詰まっているんですね。壁を落とすという細かいことですが、日本人の美意識に感動してしまいました。


これも、展開図を見たから勉強できたことです。建造物は3次元、経年変化も考えれば4次元の物体です。やっぱり、図面という二次元だけを見ていては、分からないことだらけなんだなーと痛感いたしました。次回以降も、目を皿のようにして展開図を睨んでやろうと思います。


今日もブログをお読みいただきありがとうございます。恐らく人生最大のプロジェクトである建替え、悔いのないように頑張って参ります。



南無阿弥陀仏

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