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自殺に対して思う事

こんばんは。

法善寺副住職の中山龍之介です。

 

今日、俳優の三浦春馬さんが亡くなったというニュースが飛び込んできました。私はニュースが出たときは車で移動中で、お寺に戻ってきてから妻に聞かされ、素で3度聞きくらいしてしまいました。特にファンとかではありませんが、同年代で10年位前から知っている俳優さんでしたので大変に驚きました。

 

職業柄、人の死には多く遭遇しますので『生きるも日常、死ぬも日常』というのは心得ているつもりですが、同年代の人が自殺で命を絶つというのはショックです。

 

ご遺族、関係者、ファンの皆様に、心からのお悔やみを申し上げます。

 

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自殺に対して思う事

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残念ながら、三浦春馬さんだけでなく自殺で亡くなる方は年間相当な人数がいらっしゃいます。ただ、厚労省サイトで簡単に調べただけですが、平成15年の34,427人をピークに最近は減少傾向にあったそうです。また驚いたのが男女比で、女性が1に対して男性は2以上の割合になっています。

 

自殺してしまう原因は、経済的・精神的・肉体的など様々だと思います。平成15年がピークと書きましたが、その要因も詳しくは分かっていないそうです。私自身は自殺に関して全然詳しくありませんので、あまりつらつらと書くことは止めようと思いますが、自殺という『発想自体』が存在することが問題だと思います。人間が他の動物と違い、頭を使いすぎるからなのかもしれません。

 

今年の三月まで通っていた東本願寺学院のとある先生がよく仰っていましたが、人間は生まれてから死ぬまで4つの行動しかしないそうです。歩く・止まる・座る・臥すがその4つで、『行住坐臥』という言葉で言い表されています。これしかしないくせに、色々あれこれ考えこんでしまうのが人間なんだ、ということでした。

 

私は犬を飼っていますが、考えていることはシンプルでとても分かりやすいです。お腹減った・喉乾いた・散歩したい・おしっこしたい、こんなところでしょうか。きっと犬は自殺なんてことを考えたこともないはずです。それだけシンプルな思考で生きています。

 

以前、自殺防止のために働きかけていらっしゃる僧侶の方のドキュメント動画を見ました。その方はセミナーをするときに、参加者に『今したいこと』を1つずつ紙に書いてもらうそうです。書き終わったら、そこから『本当は要らないもの』を選んで1枚ずつくしゃくしゃにして捨てていきます。そして、最後に残ったものが本当に大切なものです、と参加者に分からせる、ということをされているそうです。行住坐臥や犬の感情の話に繋がるかは分かりませんが、シンプルに生きるための道しるべになり得るセミナーなんじゃないかと思いました。

 

特に昨今は情報過多の時代となっています。SNSやネットニュースのタイムラインを見ると嫌でも情報が舞い込んできますし、それによって感情が揺さぶられてしまいます。

 

自分でも嫌になりますが、有名人の不倫のニュースがあればヤフコメを見て『やっぱり炎上してるな』とか、成功している人が寄付しているニュースがあればTwitterを見て『やっぱり偽善者とか言ってるやつがいるな』とか思ってしまっています。ニュースやその反応を見ることで、私の中で瞋恚(しんに)や貪欲(とんよく)の煩悩がふつふつと湧いてきてしまっています。完全なる負の感情です。

 

こういったことに時間を割くのが無駄なのはもちろんですが、感情が負に持っていかれてしまう方がもっと無駄です。ただ最近では、ネットニュースも事実を脚色して世論をコントロールしようとしているものも多くあるので、避けて通るのが難しいです。事実だけを懇々と伝えてくれるようなメディアは無いものでしょうか。

 

負の感情になる情報を全部避けるのは無理ですが、少なくともSNSやヤフコメでニュースの反応を見ることは止めようと思います。『止めなきゃなー』と思っていたことですが、今回のニュースを機に、このブログを書き進めていく内に、今日から徹底しようと決意しました。

 

皆様も、負の感情に持っていかれないようにお気を付けください。お困りの際には、是非お話をお聞かせください。いつでも門戸は開いております。

 

 

南無阿弥陀仏

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