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お彼岸のご案内発送の反響に思うこと

こんばんは。

法善寺副住職の中山龍之介です。


順番どおりであれば、今日は本願寺学院のレポート公開最終日でしたが、書きたいこともありましたのでブログを書かせていただきます。(バタバタとしている内に追われるように帰宅した結果、レポートのデータが入っているパソコンをお寺に置いてきてしまったことは内緒です)


今日書くことは少し繊細な内容で、こんな誰でも見れるようなブログに書くべきかどうか分からないのですが、良く分からない内に書いてしまいます。



では、、、



先日、春のお彼岸のご案内を発送しました。家庭通信や『生け花教室と精進料理』のチラシだけでなく、この時期は門徒会費の払込用紙も同封しています。


実は今年に入って、お寺で管理している檀家名簿の見直しを行いました。もちろんエクセルで管理しているのですが、名簿に載っているのに案内を送っていない方などもいて、その送る・送らないの見極めは、母や祖母の長年の経験値だったりしました。経験値とは要は、あの人は送らないでいいって言ってたわ、とかそういうことです。


それでも十分良いのかもしれませんが、私は人の記憶には限界があると思っているので、きちんとデータとしてその見極めを残すために、今回は檀家名簿に載っているほぼすべての人に案内を送らせていただきました。


ただその中には「以前に案内いらないって言ったのに」とか「別の親戚に案内届いてるから私はいらない」と言う方もいらっしゃるはずなので、「案内不要の方はお手数おかけしますがご連絡いただけると幸いです」というメモを一枚挟んでおきました。


案内を送ってから数日、前述の要件に当てはまる方々からご連絡を頂きました。その方々にはお手数おかけして申し訳ない気持ちと、またわざわざご連絡いただけたことに感謝の気持ちを述べさせていただきました。


しかし私が予想してなかった事も起こり始めてしまいました。


僅かな数ではありますが、「檀家名簿の見直しをしているなら、これを機に私は名簿から外してほしい」というご意見をいただきました。これはつまり、法善寺とのお付き合いはこれっきりで、ということです。


正直言って、とても悲しい気持ちになりました。もちろん先方にも様々なご都合がお有りなんだと思いますが、こちらの気持ちだったり頑張りが届かなかった、という思いになりました。


ただ、こういうときこそ冷静に理由を考えなければいけません。


理由としては昨今の少子高齢化から来る跡継ぎ問題、転勤して地方に住まわれている方、そして法善寺の努力不足かなと思います。しかし、法善寺として頑張ることは大前提ですが、社会全体の流れは止めようがないのも事実です。


巷ではよく言われていますが、お寺も今まで通りではやっていけない時代がすぐ目の前に来ています。人口が減っていくのは目に見えているので。


そしてそんな中、法善寺がやるべき事を俯瞰して見たとき、まずは今のお檀家さんを大事にすることが最優先です。これは間違いないです。長年法善寺を大切にしてきてくださっ方々、今法善寺に来てくださっている方々に精一杯応えていくのが最優先事項です。


ただ一方では、新規の檀家になってくださる方を獲得することも大事です。『獲得』というと言葉が強いかもしれませんが、法善寺って良いな、応援したいな、あのお寺と縁を結びたいな、と思ってくださる方を増やさないと先細りしてしまいます。


そして更に大局観で見るならば、お檀家さんやお檀家さん候補の方々以外からも愛されるお寺にならなければいけません。それは地元の方々や観光客になるのかなと思います。


私が今暮らしていけるのは、今の『お寺』というシステムを作ってくださった方、そしてそれを今日まで紡いでくれたご先祖様のおかげです。今までは檀家制度がキッチリしていて、住む場所を変えることもあまりなく、少子化もなかったので問題なかったのかも知れませんが、今は違います。


今度は私達の世代の番です。100年後にも法善寺が存続しているように、新しいお寺の形を模索しないといけません。しかし、それはおそらく今までのお寺のような無変化な形ではないはずです。だからこそ、色々な時代に対応できるような柔軟な思考と姿勢を持ったお寺であることが大切です。お墓を売って、葬儀だけやってれば食えた時代は終わりです。


今回のご案内発送で、そういった危機感を持たせていただきました。昔は良かったんだろうなーと憂う瞬間もありますが、切り替えて前を見て頑張っていきます!


応援よろしくお願いします!



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