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お坊さんが応えるべきニーズとは


こんばんは。

法善寺副住職の中山龍之介です。

 

撮りためていたアメトーークの中から『ハワイ行きたい芸人』を見つけてしまい、見事にハワイに行きたくなりました。やっぱり南国好きです。青い空の下を闊歩したい。。。早く海外にも自由に行ける日が戻ってくることを切に願います。

 

そうなって、もしこのブログの更新が途絶えたり、急に時事ネタが無くなったら『あ、あいつ書き溜めたやつを公開して、南国に行ってやがるな』と判断してください。

 

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プリントパック最強説

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さて、今日から7月に入りました。とは言っても何か特別なことも無く、今日は『法善寺バスツアー』のチラシデータの入稿作業をしていました(まだ私は、南国ではなく上野にいそうです)

 

チラシやポスターや法善寺の会報誌『家庭通信』など、大判や大量の印刷物はいつも『プリントパック』にお世話になっています。種類も豊富ですし、ウェブ上で全て手続きができるし、出来上がりイメージをシミュレーションしてくれるし、何より安いです。お寺の複合機のカウンター料金よりも安い値段で、品質の良いものが出来上がるので、めちゃくちゃ便利です。

 

恐らくプロの目から見れば、より高品質の印刷屋さんもあるのでしょうが、使い勝手の面なんかでプリントパック以外の選択肢が出てきません。『質』で勝負することも大切ですが、それ以上に『ニーズに応える』ことが重要である、という良い例ではないかと思います。

 

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お坊さんが応えるべきニーズとは

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少し前ですが、テレビで『なぜ日本の家電は売れなくなったのか』という特集みたいなのが放送されていました。それによると、売り上げを伸ばしている海外の家電メーカーは顧客のニーズに寄り添っており、例えば電気供給が不安定で停電の多い地域であれば、急に電源が落ちてもテレビの液晶が壊れないような防止策を組み込んでいる、ということでした。これを『ローカライズ』と言うそうです。

 

一方、日本の家電メーカーは、『画質が良い』とか『音が良い』といった、『これこそ高品質だ!』というメーカー目線での商品が多く、ローカライズできてない(現地のニーズに応えられていない)ことで競争力が失われてしまった、という内容でした(少し前の情報ですので、今はちがうはず。生意気言ってすみません)

 

面白い、と言ったら怒られるかもしれませんが、これはとても興味深い内容で、その証拠にこの『情報右から左人間』の頭に、今でも残っています(#受け流すタイプ)

 

お寺業界でもこれに近いことが起こっているような気がします。『この教えこそ素晴らしいんだ』とか『この声明が美しいんだ』という、お坊さん目線が中心になってしまい、門徒さんが置いていかれてしまっている、という状況を目にします。

 

確かに、仏教の教義や声明作法はとても大事です。これらをちゃんと理解していたり、きちんと実践出来ずに、ニヤニヤして人付き合いだけしていては決して僧侶とは呼べません。ただ一方、門徒さんからすれば、たとえ高尚な教えを説かれたり、美しい声明を聞いたとしても、それが何なのかが分からなければ、仏教の良さも分かりません。

 

誤解してほしくないのですが、決して門徒さんをバカにしているのではなく、僧侶側はそれらを分かってもらう努力をしないといけない、ということです。

 

例えば、葬儀なんかでは40分くらいの時間をかけて行いますが、声明を知らない人からすれば『良く分からないアカペラが続く時間』になり、なかなかに苦痛な40分になってしまいます。正信偈は漢文ですし、現代語に近い形で書かれている和讃なんかでも淘(音の揺らし)などもあり、言葉の意味は分からないんじゃないでしょうか。

 

こういったことはあくまで一例ですが、それでも『僧侶が伝えたいこと・伝えるべきこと』と『門徒さんが僧侶に求めていること』には差異がありそうです。仏教や浄土真宗には教義がありますので、門徒さんが求めていることに100%寄り添うことは不可能ですが(例えば、浄土真宗なのに『願えば病は治ります』とかは言えない)、一方的にならずに門徒さんに寄り添った形で教義を説いたりすることは出来るはずです。

 

僧侶として生きるからには、常にその中間地点を探っていかなければいけないのかなと思っています。一方的にならず、しかし伝えるべきことは伝える、そして門徒さんに寄り添う、これらが出来ると『立派なお坊さん』になれる気がします。

 

そうなるためには、まだまだ長い道のりですが、一日一日頑張っていこうと思います。

 

 

南無阿弥陀仏

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