top of page

安心

こんばんは。

法善寺副住職の中山龍之介です。


春のお彼岸二日目、お参りの方は昨日よりは少なめでした。ただ、まだ二日間だけですが、想定よりは少なくありません。有難いことです。


昨日のブログでも書きましたが、本堂開放、消毒アルコールスプレー設置はどちらも好評です。


消毒アルコールは、お寺では1年ほど前に買っていて、当時は母や妻から『何でこんなもの買ったんだ』と言われ、多くの人が行き交う場所なんだからこれぐらいは置いておかないと、と言っていましたが、一年後にまさかこんな形で役に立つとは思いませんでした。その時に4リットルの大ボトルを5000円程で購入したのですが、今日アマゾンで見てみたら何と9万円に。。。18倍の値段になっていて、大変驚きました。


==============================

神の見えざる手によって価格は決まる

==============================


少しでも経済学をかじったことがある人なら、需要と供給のバランスによって物の値段が決められている、というのはご存知かと思います。『神の見えざる手』とか呼ばれたりもしますが、これは需要が高いのに(欲しい人が多い)供給が少なければ(売り物が少ない)値段は高くなるし、需要が低いのに(欲しい人が少ない)供給が多ければ(売り物が多い)値段は安くなる、ということです。宝石が高いのは美しいからではなく、供給の数が限られているから、大根が美味しいのに安いのは、供給がたくさんあるから、ということです。


この『神の見えざる手』は経済の基本ですが、それを今日のような非常事態に当てはめるのはいかがなものかと思います。


新型コロナウィルスに(森喜朗以外の)誰もが怯え、アルコール消毒を欲しているという人の心理の足元を見て値段を吊り上げる。また、マスクを買い占めて高額で転売して利益を得る。人間というのは本当に恐ろしい生き物だな、と今回の件で思わざるを得ません。


==============================

お金によって得られるものは何?

==============================


じゃあ、その人たちはなぜそのような行動に移してしまうのでしょうか。もちろんお金が目的なんでしょうが、なぜそんなにお金が欲しいのでしょうか。


お金によって得られるもの、良い家や高級車なんかもあると思いますが、一番は安心だと思います。この世のほとんどはお金で買えることができ、その原資となるお金をたくさん持っていれば大抵のことが手に入るからです。しかし結局、お金では本当の安心を買うことは出来ません。こんなこと、大金も手にしていない私が言っても説得力ないのは分かっていますが、断言できます。


じゃあ本当の安心とは何なのか。これは、個々人によって変わってきますし、個々人によって考えなければいけません。


人は誰でも死んでいきます。その死ぬ瞬間に本当の安心を手に入れているかどうか、これを考えなければいけません。


私には昨年息子が生まれました。お寺の代が続いていきそうだという意味では一つの安心を手に入れました。しかし、お寺を次のステージに引き上げる、という任務が残っています。これを残したままではまだ安心できません。そしてこの任務が終われば、何となくぼんやりとですが、安心した生活を送っている自分が想像できます。自分の人生の大義がそこで達成されるからです。


==============================

最後に

==============================


何が言いたいかというと、転売なんかで得た利益は数年経ったらなくなるけど、そこで失った周りからの信頼や人としての品格は取り返すことが出来ないから止めようよ、ということです。そんなことより自分にしか出来ないことを探してそこに突き進んだ方が人生が充実しますし、本当の安心を手に入れられるはずです。


最後に、法善寺にお越しの際には、是非アルコール消毒していってください。もちろん無料ですのでお気になさらず。


南無阿弥陀仏

特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。
bottom of page