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過去帳とは何か。

8/4のブログです。


こんばんは。

法善寺住職の中山龍之介です。


今日は、ご依頼いただいていた過去帳の記入をしたり、8月のお寺の掲示板用の字を書いたり、筆を握る時間が長い1日でした。今日だけでなく、一般社会の方々と比べると筆を握る時間が長い方だとは思いますが、7月はバタバタとしていたため書道の創作にかける時間がありませんでした。


ということで、久々に創作をしましたが、そこらへんの筋肉というか発想というか、そういったものが衰えていることを感じました。やっぱり常日頃から、そういった感覚は刺激しておかないとダメですね。忙しさを言い訳にすれば何も出来なくなってしまいますので、何とか時間を捻出していきたいと思います。


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過去帳とは何か。

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さて、さらっと『過去帳』という言葉を使いましたが、馴染みのない方も多いと思います。私もお寺に入るまでは存じ上げておらず、最初に聞いた時は何かしらの帳簿のことだと思っていました。


過去帳は主に浄土真宗だけで用いられているものだと思いますが、ざっくり言えば故人の法名を記載する帳面のことです。一日〜三十一日までが蛇腹状になっていて、親族でその日にちに亡くなった方を書き記していきます。3月28日に亡くなっていれば28日のページに、10月15日に亡くなっていれば15日のページにそれぞれ書き記していくことになります。


過去帳はお仏壇にお飾りするもので、その日その日で一枚ずつめくっていくわけです。今日で言えば4日のページが開かれていて、明日の朝になれば5日のページに開き直します。そうやっていくと、『あら、今日はお父さんの月命日ね』ということが分かる様になるわけです。


過去帳は主に浄土真宗だけで用いると言いましたが、他宗さんではお位牌を用いておられます。改めてお位牌とは、故人の戒名や没年月日が記された木の札のことで、49日の魂入れ法要を経て故人を象徴する存在になる、そうです。浄土真宗では魂入れをしないため、正式にはお位牌は用いない、ということなんですね。もちろん家々によって用いている場合もありますが。


ちなみに過去帳ですと、一冊で済むので省スペースになるという利点もあります。特に昨今はお仏壇の縮小化が進んでおられますので、お位牌を無くして過去帳にまとめたい、というご依頼も多くいただきます。今日もそういったご依頼をいただいた中での書き入れとなりました。


昔から過去帳を使われているご家族のものをお預かりすると、祖父や父の字を拝見することもできます。こんな小さな枠に、綺麗に収めて書くなぁと感心しながらも、そこから書き方を学びながら私も書き入れています。もしかしたら私が書いた字も、息子やまだ見ぬ孫のお手本になるかもしれないと思うと、背筋が正されます。


また、過去帳はこれまで亡くなった家族全員の名前が刻まれるものですので、家族とのつながりであったり、自分のルーツを少し意識することが出来るものかもしれません。核家族化が進んで、自分は自分1人で生きているという感覚が強くなった現代において、必要なものなのかもしれません。


今日もブログをお読みいただき、ありがとうございます。過去帳とお位牌、改めて調べてみると勉強になります。



南無阿弥陀仏

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