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『書譜』始まる

こんばんは。

法善寺副住職の中山龍之介です。


本日から10月が始まりました。そして今日は木曜日という事で、書道教室と声明学園がある習い事デーでもあります。


声明学園が始まるまでの時間を使って、このブログを書いています。ということで、もう一つの習い事である書道教室について書いていこうと思います。

 

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『書譜』始まる

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今週からついに、『孫過庭(そんかてい)』という方が書かれた『書譜(しょふ)』が始まりました。


『ついに』と書きながらも、まだ字を見たことはありませんでしたが、『書譜』というストレートでかっこよすぎる名前から、とても重要な書物なんだろうと勝手に想像していました。こういったタイトルは大抵、長ったらしいよりも短い方が威厳がありますし、プレゼントも大きな箱に入っているよりも小さい箱に入っている方が良いものに見えます。


ただそれだけでなく、今までの書物は5週くらいかけてやる場合が多かったのですが、書譜については10週かけるそうです。やっぱりとても重要みたいです。


通常、法帖を始める時は、まず先生から説明があります。この書物はこういう時代に書かれたんですよーとか、こういう背景があって作られたんですよーとか、字の特徴はこんなんですよーとか、そういった話がされます。


しかし今回は、いつも説明してくれる先生から『突き放すようでアレですが、とりあえず書いてみましょう』と言われ、右も左も分からないままに臨書をスタートさせました。『あれ、先生疲れてるのかな?』と一瞬思ったのですが、他の先生からも特に口出しされることなく進んでいきましたので、日本教育書道芸術院では書譜に関しては、まず『習うより慣れろ』というスタイルみたいです。


書譜をざっと見た感じ、草書体で書かれていて、ぱっと見は何が書いてあるか分かりません。というか、しっかり見ても何が書いてあるか分かりません。それを先生に言うと『草書にもルールがあるので、それを勉強していきましょう』と言われました。慣れればあの字も読めるようになる日が来るという事でしょう。それはそれで楽しみです。頑張れ自分。

 

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『書譜』むずし =============


そんなこんなで臨書を始めましたが、想像以上に難しかったです。いつも先生から『字が分からないままにお手本を真似だけすると、誰も分からない字になります』と言われていますが、正にその通りな字がたくさん出来上がってしまいました。


字を書きながら何度も筆を止め、次はどれだ?横画か?縦画か?これは連綿か?実線か?なんてのを確認しながらやったため、ぐしゃぐしゃです。いつもはそんな字でも写真に収めますが、今日はそれすら忘れるくらいのダメダメぶりでした。


ただ書き進めるうちに、いくつかの特徴が見えてきました。


まず、同じ形で書かれたヘンでも違うヘンを意味しているときがあります。『さんずい』『にすい』『にんべん』『ぎょうにんべん』『ごんべん』なんかは略すと縦棒一本になります。『それじゃ訳分からなくなるじゃないか』と思いますが、先生曰く、ツクリの形や文章の流れから文字を判断することもあるそうです。高度すぎます。

例えば、『足』と『之』は書譜の中ではとても似た形で書かれています。写真の一番右下が『之』で、その左隣が『足』です。見分けるポイントは2つで、1つは最後の右払いが上がっているか下がっているか、そして2つは文章の流れです。


この『足』は『不』の後に出て来ました。そうすると次の言葉の否定になるわけですが、『不之』では意味が通らないため『不足』が正しい、という判断になるわけです。


また写真の左側にあるのは、それでも紛らわしい字を見分ける時の方法です。『河』と『何』ですが、さんずいとにんべんはどちらも縦棒一本になるため同じ形になってしまいます。その混乱を避けるために、さんずいやぎょうにんべんには、ちょんと短い横線を入れる場合があるそうです。ちなみに一番左の字は『徳』です。


こういった部分を読み取って、字を判断していくそうです。高度すぎて鼻血が出ます。ただまた新しい世界を見られたみたいで楽しい気持ちもあります。


引き続き、前向きに書道に取り組んでいこうと思います。

 

 

南無阿弥陀仏

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