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人生は常に綱渡り

こんばんは。

法善寺副住職の中山龍之介です。

 

今朝は久々に本山・東本願寺の晨朝法要(お朝事)に行ってきました。前よりも参詣の方が増えておりましたが、顔なじみの方もちらほらといました。顔なじみと言っても連絡先とかは知らないのですが、『最近●●さん来てないなー、元気にしてるのかなー』みたいなアナログなコミュニケーションが好きです。

 

本山では、晨朝の御文拝読と法話を日替わりで色んな人が担当しています。今日の担当者は私も大変お世話になっている方で、お話も上手なので『当たり日』でした。期待を裏切らない面白いお話で、早速今日の自坊での法要でのお話に転用させていただきました(#あざす)。

 

ちなみに法善寺では、平日にはほぼ欠かさず晨朝法要をしています。7:30から10分くらいです。その時間は本堂正面のドアを開けておりますので、入ってきていただいても結構ですし、靴を脱ぐのが面倒くさかったりすればドアの外からお参りしていただくことも可能です。お立ち寄りの際には、お気軽にお越しください。

 

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人生は常に綱渡り

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突然ですが、実は先日、小さいころからお世話になっていた方が亡くなりました。

 

その方は、父が中学校でバスケのコーチをしていた時の教え子で、大人になってからは父と同じチームでバスケを楽しんでいました。父が独身の時からの付き合いですので、私のことは生まれたときから知ってくれていました。そのバスケチームには、今では私も所属しています。

 

体は大きいのですが、どこか飄々としていて、私も小さい時から知っている人ということもありますが、普段からタメ語で話してしまうような方でした。しかし私のそんな無礼な態度にも関わらず、とても優しく接してくれていました。

 

実は昨年の年末に法善寺で行った餅つきにも参加する予定だったのですが、当日になり『再検査に引っかかって病院に呼び出されちゃったよ』と言って来ることが出来ませんでした。その時には大したこととは思っていなかったのですが、結局手遅れになってしまい、今月上旬に還らぬ人となってしまいました。まだ50代でした。

 

新型コロナウイルスの影響もあってか、葬儀は家族だけで執り行ったそうで、我々バスケ仲間に連絡が来たのは全て終わった後でした。亡くなる前に、私は父から何となくの話を聞いていたのですが、そこから亡くなるまでが早すぎて、更に葬儀にも参列できていないので全然実感が湧いていません。ただ、父の落ち込み様を見て、現実なんだと自分に思い聞かせています。

 

昨今の新型コロナウイルス、そして今回のことで、私たちの人生というのは常に綱渡りなんだということを思い知らされました。明日にはどうなっているか分かりませんし、そもそも一分一秒先の命だって保証されていません。それなのに私たちは、明日は当然やって来るものだと思っているし、1年後の予定だって平気で立てようとします。

 

それが悪いことだとは思いませんが、当たり前のことだと思ってはいけません。今日という日は、昨日亡くなった方々が生きたかった明日なのですから。

 

しかし、だからと言って毎日毎日をびくびく生きていくわけにもいきません。死ぬかもしれない、死ぬかもしれない、と考えすぎると、その恐怖から抜け出せず自暴自棄になってしまうかもしれません。

 

だから我々はお念仏を頂くのではないでしょうか。浄土真宗では、阿弥陀仏からのご信心を頂き、その上で『南無阿弥陀仏』とお念仏を一度だけでも称えれば、命終の後に極楽浄土に往生することが出来ると説かれています。つまりは、一度のお念仏で『後生の一大事』が定まるということです。

 

しかし我々はそれでもお念仏を称えることを止めません。なぜなら、二回目以降のお念仏は、我々を救ってくださる阿弥陀仏への報恩感謝のお念仏になるからです。つまり、一度目は『お救いください』、そしてそれ以降は『救ってくださりありがとうございます』という意味です。

 

このように南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と称えることで、後生の一大事が定まり、感謝の気持ちが芽生え、今生を豊かな心持で過ごすことが出来ます。浄土真宗はあまり現世利益を説く宗派ではありませんが、お念仏を称えることで豊かな心になる、というのは現世利益の一つに数えられています。

 

先ほど綴ったように、人生は綱渡りです。風が吹けば、綱が揺れれば、ちょっとバランスを崩せば、いつでも踏み外してしまいます。そんな身の我々ですから、お念仏を頂いて、少しでも心豊かに毎日を過ごせれば、と思っております。

 

最後になりますが、岩間さん本当に今までありがとうございました。もう会えないのは寂しくてしょうがありませんが、仲間たちと乗り越えていきます。

 

 

南無阿弥陀仏

 

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