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東日本大震災から10年

こんばんは。

法善寺住職の中山龍之介です。


今日はお寺では、『おみがき』が行われていました。あまり聞き馴染みのない単語かもしれませんが、というかもしかしたら法善寺独特の言い方かもしれませんが、お寺の行事ごとの前に本堂の仏具をキレイに掃除する作業のことを指します。今日の作業は言わずもがな、お彼岸前ですので行われました。


おみがき中、妻は別の用事があったため、母と母の友人にも手伝っていただき、午前中からお昼過ぎくらいまで作業していました。その一方で私は珍しく、祖母と一緒に息子の子守をしていました。自己主張が日に日に強くなっていますし、出来ることがまだまだ少ないのに、出来ないことに対して怒ったり泣いたりして、結構大変です。子守をすることで改めて、妻や母や義母や祖母の有難さが分かります。


お陰様で仏具はピカピカになりました。お彼岸でお越しの際には、是非本堂にもお参りいただき、仏具にまで目を向けていただけると幸いです。初日とお中日と最終日(3/17, 20, 23)は午前11時からお勤めもありますので、ご都合合えば是非ご参詣くださいませ。



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東日本大震災から10年

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さて、明日で東日本大震災が起きてから10年となります。節目の瞬間、まさか日本だけでなく世界全体が、また新たな未曽有の危機に瀕しているとは想像もしていませんでした。


10年前のその頃、私は大学を2010年12月に卒業して、4月に社会人になるのを控えていました。特に何に追われることもなく、バイトしたり遊んだりしながら毎日を過ごしていました。


丁度その日はお台場に友達と遊びに行っていて、ヴィーナスフォートとかをぶらぶらとしていました。特にやることも無いので、トヨタのプリウスでも試乗するかという話になり、午後3時からの試乗を予約しました。そしてその試乗を待っている間に、東日本大震災に見舞われました。


今となっては当然ですが、あれほどの大きな地震は私の人生では経験したことがありません。大きな揺れが長く続き、建物の至る所から悲鳴が聞こえてきました。一旦揺れが収まったので外に出ると、お台場の観覧者が横揺れしているのが目に入ってきました。今にも土台から外れて、転がってきそうでした。ちょうどその時に観覧者に乗っていた人たちは生きた心地がしなかったんじゃないでしょうか。


外では、広場みたいなところに多くの人が集まっていました。ネットはパンクしているので繋がらず、当時はまだまだガラケーの人も多かったので、ワンセグテレビで何が起きたのかを確認していました。みんなパニックでしたが、その様子を動画に収めている人がいて、とても腹が立ったのを覚えています。


テレビを見ると、津波が発生する恐れがあるというニュースが入ってきました。津波に襲われる可能性があるエリアを見るとお台場もガッツリ入っていて、とにかくここを離れようということになりました。ただもちろんゆりかもめもモノレールも止まっていますので、歩くしかありません。バスだって、道路がとんでもなく渋滞していたので歩いた方が早いです。


そんなこんなで、10km以上歩いて上野の自宅まで帰ってきました。後々聞いた話では、その日は自転車の売り上げがとてつもなかったそうです。それが一番早い交通手段だったという事です。


この時期になると被害の大きかった地域の映像がテレビで流れてきます。まだまだ大変な生活を強いられているというのに、コロナもあって更にみなさん追い込まれているように見えました。ただそんな中でも前を向いて進んでいる姿に、人間の強さが見えるような気がします。落ち着いたら、東北にお邪魔して美味しいものでも食べたいなという気持ちになりました。


被害の大きかった地域に比べれば大したことはありませんが、法善寺にも被害は出ました。古い建物ですので柱が傾いたり、壁がずれたり、床が抜けたり。他にも見えないところにも細かい被害がたくさん出ていて、それが建替えをする理由の一つだったりします。


あれから10年、本当に色んなことがありました。次の10年も前を向いて歩いていけるよう、頑張っていきましょう。



南無阿弥陀仏

 

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