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12月のお寺の掲示板

12/1のブログです。


こんばんは。

法善寺住職の中山龍之介です。


ついに12月に突入、今年も残り1ヶ月となりました。ようやく寒くなってきた今日のこの頃で、今日は今シーズン初めてダウンを着ました。


夏と冬でどっちが好きかと言われれば夏なんですが、冬の寒さも嫌いではなく、特に年末年始感は好きだったりします。寒い中で車が渋滞してるのを見ると、何故か年始を連想してしまって嬉しくなったりします。美味しいお雑煮が食べられるよう、年末まで走りきりたいと思います。


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12月のお寺の掲示板

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ということで、12月に入りましたのでお寺の掲示板の書を新しくしました。今年から始めた取り組みですが、毎月何とか続けることが出来ました。


今月は楷書で、『人生足別離』と書かせていただきました。ここ最近は創作の少字数に凝っていましたが、そのカウンターなのか、毎日1枚創作を書いているからか、解除を書きたくなっている自分がおりました。


『人生足別離』は、和訳すると『人生別離足る』、つまりは『人生は別れで満ちている』という意味になります。有名な『さよならだけが人生だ』の元ネタがこれです。


これは于武陵(うぶりょう)の『勧酒』という漢詩の一節でして、原文は『勧君金屈巵 満酌不須辞 花発多風雨 人生足別離』です。和訳しますと『君に勧む金屈巵、満酌辞するを須いず、花発けば風雨多し、人生別離足る』となり、友人との別れ際を詠んだ詩みたいです。これだけ短い詩なのに、多くの感情が入り乱れていて、個人的にはとても好きな漢詩です。


仏教の言葉で、愛別離苦というものがあります。愛する人やものと別れ離れなければいけない苦しみ、という意味で現世で生きる上で避けられない苦しみの一つとして説かれています。


避けられない苦しみ、と説かれているにも関わらず、いざ自分の身にこの苦しみが降りかかると我々はどうしても『なぜ自分だけ、こんな苦しみを味わわなければいけないのか』と思ってしまいます。我々凡夫は、いかに真理を見られていないか、ということが良く分かります。


令和5年が良い年だったか悪い年だったかは個々人によって変わると思いますが、そんな1年との別れも近付いています。令和5年に対して、この勧酒のような心持ちで別れを告げたいなぁと思う、12月のスタートでございました。


今日もブログをお読みいただき、ありがとうございます。別れがあれば出会いもある。



南無阿弥陀仏

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