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お経解説シリーズ② 浄土三部経とは

こんばんは。

法善寺住職の中山龍之介です。


自粛生活も最終日を迎えました。明日からはお寺にも普通に顔を出していこうと思っています。もちろんマスクや手指消毒など、コロナ対策は徹底します。


そしてそんな明日から、声明学園も再開します。再開と言っても、緊急事態宣言中は、公共交通機関を利用して来られる方々は全員Zoomで授業に参加していただくこととしました。そもそもそういった授業形式が慣れない中、実際に発声も伴うものですので、生徒さんだけでなく先生方にも負担がかかるかと思いますが、止めるわけにはいきませんのでやってみます。もし上手くいけば今後は地方の方でも参加できるようになりますので、それはそれで希望に繋がります。皆様、何とかよろしくお願いします。



============================= お経解説シリーズ② 浄土三部経とは

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さてさて、昨日より始まりましたお経の解説ですが、本日は『浄土三部経ってなに?』というところを説明していければと思います。ちなみに参考文献は坂東性純著の『浄土三部経の真実』です。


では行きます。


お経ってたくさんあるんだよー、というのは昨日のブログの通りです。その中から浄土真宗では3つのお経を頂いていまして、それが『浄土三部経』です。


『浄土三部経』とはズバリ、『無量寿経(むりょうじゅきょう)』・『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』・『阿弥陀経(あみだきょう)』のことです。無量寿経が一番長くて『大経(だいきょう)』と呼ばれ、反対に阿弥陀経が一番短いので『小経(しょうきょう)』と呼ばれています。じゃあ観無量寿経は『中経』かと思いきや、『観経』と呼ばれています。ここ、要注意です。


ちなみに頭に『浄土』とついていますが、三部経と言うのは他にも色々と存在します。


奈良時代は仏教は鎮護国家(国を守る)の役割を担っていましたが、その時に読まれていたのが『護国三部経(法華経・仁王般若経・金光明経)』です。奈良の大仏なんかは正に、当時流行っていた天然痘を無くすために建てられたというお話もありますよね。


また、天台宗では『法華三部経(法華経・無量義経・普賢観経)』を頂いているそうです。法華経が正依の経典(一番大事なお経)ですが、それを開くための無量義経、そして結ぶための普賢観経という構成みたいです。


真言宗でも『大日三部経(大日経・金剛頂経・蘇悉地経)』なるものを頂いているそうです。真言三部経とも言われるみたいですが、それぞれ大日如来について説かれたお経のようです。


恥ずかしながら他宗のことはホントに全然存じ上げませんので、話を戻します、、、


この浄土三部経ですが、浄土真宗の開祖である親鸞聖人が選定されたものではありません。元々は親鸞聖人の師である法然上人(浄土宗の開祖)が、浄土三部経を正依の経典とされていました。じゃあその法然上人が浄土三部経を選定されたのかというと、それも違うようです。既に7世紀に、中国の善導大師が浄土三部経を選び取っていて、法然上人は善導大師をよりどころとして、この浄土三部経を頂いたわけですね。つまりは、善導→法然→親鸞という縦のラインです。


昔々にシルクロードを通って中国に伝わった経典は約940だそうですが、その約四分の一にあたる274の経典が阿弥陀仏や浄土を説くものだったそうです。その中から更に、阿弥陀仏のはたらきや浄土の様子がよく描かれている三つのお経が善導大師によって選抜され、『浄土三部経』となりました。善導大師は、この浄土三部経を読めば必ず救われる、とも説いていたそうです。


それぞれのお経の細かい話は明日以降として、(ホントにざっくり)説明すると、『無量寿経』では阿弥陀仏の本願(救いたいという願い)が説かれていて、『観無量寿経』では阿弥陀仏の念じ方(声に出したり観察したり)が説かれていて、『阿弥陀経』では様々な仏様が阿弥陀仏を称賛した様子が説かれています。


元々法然上人はこの三部経のどれが優れているとか比較せず、全て平等に大事にしていたそうです。ただ法然上人の弟子の中には三つの経典に対して力の入れ所が変わる者が出て来ました。親鸞聖人もその一人で、浄土真宗では『無量寿経』を最も重く扱っています。また、現在の浄土宗では『観無量寿経』を、時宗や念仏融通宗では『阿弥陀経』を主として頂いているそうです。


今日はこの辺で失礼いたします。明日からはお経自体にフォーカスを当てたお話が出来ればと思います。与太話ですが、当たり前のように『お経を頂く』と表現していますが、昨日のブログでご説明した通りお経は釈尊のお言葉ですので、『読む』ではなく『頂く』と言っています。


地味に大事なポイントを説明したところで、今日は失礼いたします。



南無阿弥陀仏

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