型破りは是、型無しは非
- 19 時間前
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5/22 - 5/28の週ブログです。
こんばんは。
法善寺住職の中山龍之介です。
5月は、永代経法要があったり、他のお寺さんでの法話があったり、本山での法話があったり、先週のブログで触れた北海道研修があったり、とてもバタバタしていましたが、今週に入り漸く一段落ついた感じがします。月二回の書道教室も、昨日と今日の連日でまとめて行ってきました。
少し落ち着いたところで先を見てみると、7月には新盆(忌明けに初めて迎えるお盆のこと)やお盆(東京は7月なんです)がありますし、また本山での法話があったりします。また、お盆に向けて会報誌「家庭通信」の発行や、来年のカレンダー制作も始まってきます。
結果的に、このタイミングで一息つけたのは良かったのかもしれません。全体を見れば上手くいかないことも多いですが、自分の出来る範囲で頑張っていこうと思います。
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型破りは是、型無しは非
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お坊さんの世界では、声明(しょうみょう)というものがあります。
「声明とは」を細かく言うと長くなるので割愛しますが、浄土真宗においては、ざっくりと勤行や法要に係わること全てを指す言葉かなと思います。声明に「声」という字が入っているので、発声に纏わることはもちろんですが、それ以外にも作法や法衣のこと、打ち物鳴り物の知識なんかも、ニュアンス的には含まれることがあります。
つまり声明とは、(お寺さんによって解釈が分かれるかもしれません。また本来の言葉の意味と、現場で使われる意味は違う印象ですが)一人前に法要をお勤めするために必要なこと、みたいな感じでしょうか。少なくとも声明学園では、そこまで含めた範囲を授業でお伝えしています。
そこには伝統があり、型があります。確かに口伝の部分も多く、地方色があったりします。絶対的な正解がない世界ではありますが、その中でもまずは学べる伝統や型を学ぶことには、大きな意味があります。一つの基準が、自分の中に出来るわけですね。
ただ残念ながら、『どうせ地方や教える人によって声明は変わるんだから、勉強しても意味ないよ。ご門徒さんにも、小さな違いは分かりっこないし』という考えになってしまう人がこの世界にいたりします。何とも悲しいと言いますか、自分よがりな発想だなと感じてしまいます。
とは言え、古くからの伝統を絶対的な正解にする必要もありません。昔は法衣に夏服という概念はなかったみたいですが、当時と今では暑さが比べ物にならないでしょうし、教科書に載っているような本堂を構えるための広大な土地を有しているお寺はほんの一握りです。膝が痛くて曲げられない人に、絶対に正座しろ!と言うのも多分違います。
そういった細かい調整を各お寺でされながら、皆さん法要を執り行っているはずで、それはとても素晴らしいことです。ただし、それもあくまで『基準』があってのことです。基準を知った上で、「でもそれはうちでは出来ないからこうしよう」とか、そういう対応はあって然るべきことです。
その基準を知らずに外れたことをしてしまうのは、型破りではなく型無しです。表面的には同じように見えても、そこには大きな違いがあります。
ちなみに、書道や写真の世界でも同じようなことが言えると思っています。書道の勉強、写真の勉強、これらは何かと言えば、古典を勉強することです。古典を勉強するということは、昔の上手な方の作品を臨書したり、著名な方の写真集を読み込んで似た構図で写真を撮る、ということです。
書道も写真も、好きに創作するのが華のように扱われますが、臨書や模倣という土台がなければいけません。ただただ筆遣いが上手い人、ただただ光の取り込み方が上手い人、というのは正直言って一目見ると分かってしまいます。作品の厚みが、それはそれは全然違います(センスへの嫉妬もあります)。
ただ、アートの世界が声明と大きく違うと思うのは、伝統を壊していくことが是となっている、というところでしょうか。そのためにこそ、伝統を深く学ばなければいけません。伝統を型とすれば、型破りは是で、型無しは非、だと思っています。
時に人間は、自分一人で何かを成したり生み出したりしようとしてしまいます。ただ無から何かを生み出すことは不可能で、必ず先人の知恵を拝借しなければいけません。先人がいるから今の自分がいる、そう思うとより謙虚に学びの姿勢を持ち続けられるはずです。
そんな今日も声明学園があります。自分の中での声明の基準は、間違いなくここで培われてきたものです。時に必要な型破りをするためにも、自分の型をきちんと固めていこうと思います。
ブログをお読みいただきありがとうございます。
南無阿弥陀仏
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