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3月の掲示板〜お彼岸に向けて〜

3/2のブログです。


こんばんは。

法善寺住職の中山龍之介です。


少し前のブログで触れていた、家庭通信の折り作業(受注過多により折り作業を受け付けてくれなかった件)および発送作業ですが、そのブログを読んでくださったとある総代さんがお手伝いに来てくださったおかげで、今日無事に作業を終えることができました。本当にありがとうございました。


かくいう私も、母にだいぶ作業をお願いしてしまっておりました。地道な作業で手を痛めながら頑張ってくれたみたいです。これにて無事にお彼岸を迎えることができそうです。ありがとうございました。


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3月のお寺の掲示板

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さて、1日遅れですが3月に入りましたので、お寺の掲示板を新しくしました。


今月は五言絶句の漢詩を採用しまして、于武陵の『勧酒』というものでございます。最初は楷書で書いてみたのですが、5文字×4行が綺麗にハマりすぎて碁盤のようになってしまいました。少しずらして5行にして書こうかなとも思ったのですが、紙のサイズ的にも私の技術的にも厳しかったので、創作でなんとか乗り切りました。


原文と訳はこんな感じです。

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勧君金屈巵 君に勧む金屈巵(きんくつし)

満酌不須辞 満酌辞するを須(もち)いず

花発多風雨 花発(ひら)けば風雨多し

人生足別離 人生別離足る

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この原文と訳を読んでもさっぱりだと思いますので(私もそうでした)、井伏鱒ニという方が書いた意訳も載せます。これによって、結構素敵な漢詩だということが見えてくるんじゃないでしょうか。


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コノサカヅキヲ受ケテクレ

ドウゾナミナミツガシテオクレ

ハナニアラシノタトヘモアルゾ

「サヨナラ」ダケガ人生ダ

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どうやら、惜別の漢詩のようです。別れを惜しみながら、離れゆく友にお酒を注いであげているのかなぁと想像しました。3月は卒業シーズンということもありましたので、そんな季節にぴったりの漢詩なのかもしれません。


仏教には『会者定離』という言葉があります。出会った人とはいずれ別れが訪れるのが定めである、という意味です。しかし一方で阿弥陀経には『倶会一処』という言葉もあります。離れても再び御浄土で一緒になれる、という意味です。


御浄土というのは別名で彼岸と言います。まもなくやってくるお彼岸は、亡くなられた方々に思いを馳せながら御墓参りをして、彼岸から見守ってくださっていることに感謝の気持ちを伝える機会です。人は繋がりを求めて生きている、という言葉もありますが、亡くなられた方々との繋がりを実感するのには、お彼岸は良いご縁になるはずですね。


今日もブログをお読みいただき、ありがとうございます。結果的になんだかバタバタした1日でした。


南無阿弥陀仏

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