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淡墨での書道の課題制作

10/8のブログです。


こんばんは。

法善寺住職の中山龍之介です。


10月に入ってもう1週間以上経っていますが、まだ少し暑い日が続いています。『暑さ寒さも彼岸まで』という言葉がありますが、温暖化が叫ばれて久しい今の日本では、『暑さ寒さも彼岸前後1ヶ月くらいまで』という言葉が適当なのかもしれません。語呂が悪すぎるので誰も使わないでしょうが。


昼間、息子を寝かしつけるために電動自転車の後ろに乗せて上野公園まで行ってきました。真夏の様な暑さではもちろんありませんが、マスクを着けるのは嫌になるくらいの気候でした。それにしても、電動自転車は坂道でもぐんぐんと進んでくれます。この電気を作るために地球がまた温暖化されていくのかしら、と不思議な方向に想いを馳せながら自転車をこいでおりました。


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淡墨での書道の課題制作 ====================


さて、今週は地味にバタバタしており、昨日の書道教室も行けなかったので明日に振替をしました。課題提出も来週に迫っていますので、今日は少し書き込みを行いました。普段は墨汁で書いておりますが、今日は気分を変えて淡墨(磨った墨)で書いてみました。


まず取り掛かったのは、半紙を横にして、そこに創作で書くかな交じりです。今月の課題は、三好達治の詩から『秋は既に深けれど山々はなほ緑さやかに寂然としてはてしなき想ひに耽れり』という一節でした。正に、私の冒頭の挨拶にリンクするかのような一節です。


まずは何も考えずに書いてみたのですが、書いてみて違和感を覚えました。というのも、今までは主に短歌が課題になっていたのですが、今回は詩からの抜粋でした。詩からの抜粋は今までにもありましたが、今回は特に文字数が多かったんです。書いてみて違和感に気が付くという相変わらずの愚鈍ぶりで、自分がまた一つ嫌になりました。

写真は、師範養成科時代に私が書いたものですが、かな交じりの創作の場合はこのように全体的に丸いシルエットに仕上げることがまずは基本となります。俳句のように『5・7・5』であれば、あまり何も考えずに書いても丸くなりやすいですし、短歌のように『5・7・5・7・7』でも、ある程度字の大小を付けたり改行したりすれば丸いシルエットを作ることが出来ます。


ただ今回の課題はそういうルールに基づいておりませんので、丸いシルエットに仕上げるのが難しかったです。シルエットに固執しすぎるのも良くないのかもしれませんが、何も考えずに書いた一枚目は各行の一文字目の高さが揃ってしまっていて、やっぱり格好の良いものではありませんでした。


そんな中試行錯誤をしながら書いていたのですが、段々と『秋は既に/深けれど山々は/なほ緑さやかに/寂然として/はてしなき想ひ/に耽れり』という形に落ち着いてきました。出来るだけ文節で切りたいなという気持ちはあるのですが、『はてしなき想ひ』の行はこれ以上増やすことがなかなかできなかったので、最後の行が『に耽れり』という配置になってしまいました。まだまだ納得は出来ていませんので、日を改めて書いてみるつもりです。


半紙のかな交じりが一段落したので、次は半切の楷書を書きました。書道教室で既に何枚か書いていたのですが、淡墨で書いてみたかったので今日も取り組みました。先日先生が仰っていた、『部首たちを切り離さない』という事を頭に置きながら書いてみたのですが、何となく前よりもまとまった気がします。一つのアドバイスでこれだけ変わるという事は、まだまだのびしろしかないということでしょう。嬉しい発見です。


月々の課題制作では久々に淡墨を使いましたが、とても面白かったです。墨汁の墨とは違い、にじみが出てきたりして、それが味になります。筆の使い方が墨汁とは違ってきますが、これも経験しないと分からないことですので、やり続けるしかありません。


書道を始めて2年経ちますが、まだ出来ないことばかりです。やればやるほど出来ないことが増えていく感覚ですが、だからこそ書道って面白いなと思います。極める、というよりも、付き合う、という気持ちで書道とは関わっていければと思っています。また来週の課題提出が済みましたら写真をアップしますので、楽しみにしていただけると幸いです。



南無阿弥陀仏

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