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直葬の理由

こんばんは。

法善寺副住職の中山龍之介です。

日付が変わってしまいましたが、ブログ更新していきます!


本日は土曜日、ということで自坊での朝のお勤めはお休みですので浅草の東本願寺の朝のお勤めにお詣りしてきました。いつも通り進みまして、最後はお坊さんからのお話になります。本日お話しされたのは、昨年度まで本願寺学院の担当をされていた方でした。


お話としては、その方が最近実際に対面した門徒さんで、20代の娘さんを亡くされたお母さんに浄土の話をされたことを題材にしておられました。細かい話は割愛します、というのも私が思いを巡らせたのは少しスピンオフ的な箇所でした。


その方は娘さんをご病気で亡くされ、真言宗のお坊さんに直葬をお願いし、火葬後に本願寺の牛久浄苑に納骨されたそうです。直葬とは最近出来たやり方で、通夜や告別式を行わず、火葬炉の前で短いお勤めをしてもらい、そのまま火葬するという方法です。従来の葬儀と比べるとはるかに短時間で終わるため、家族の繋がりが薄れてきた現代に増えてきました。


ただ今回の場合、お母さんは娘さんが亡くなった後、自分も後を追って死のうと考えていたそうです。結局は踏みとどまったのですが、そこまでの母娘の間に絆がないはずがありません。


では、なぜお母さんは娘さんを直葬したのでしょうか。


私が導き出した結論としましては、娘さんの死と向き合う時間を短くしたかった、ということです。お通夜や葬儀をきちんとやると、単純に時間がかかります。さらに、前もってご親戚や友人知人に連絡するのも含めたら3-4日くらいかかるかもしれません。その間、お母さんは娘さんの死と向き合い続けなければいけません。最愛の娘さんが亡くなったことに向き合うのはとても辛いことです。それを直葬という形式を取り、少しでも和らげたのかな、と想像しました。


もちろん私の結論が正しいかは分かりません。今日のお話も本題は別のところでしたので、直葬の部分を深掘りしてません。


ただ正直、今日の話を聞くまでは『直葬=絆が薄い』という勝手な印象を持っていましたが、必ずしもそうでは無いと考えさせられました。一人一人に事情や思いがあり、そういった形を選んでおられるのかもしれないな、と思いました。


人の思いというのは尊く、難しいものですね。



南無阿弥陀仏

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