書道8月号へ
- Nakayama Ryunosuke
- 2020年7月29日
- 読了時間: 3分
こんばんは。
法善寺副住職の中山龍之介です。
昨日は、ぎりぎりでしたが無事に東洋大学の授業を受けることが出来ました。これで前期授業は終了となります。聖徳太子から始まり、鎌倉仏教までくることが出来ました。新しい発見もたくさんあり、勉強になります。ありがとうございます。
後期は日蓮さんから始まるそうです。このようなご時世ですので、後期もオンラインでの授業が濃厚ですので、後期こそは皆勤賞目指していきます。
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書道の8月号課題
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さて、本日は午前中に書道教室に行ってきました。競書は7月号は終わりましたので、今週からは8月号への取り組みとなります。
競書提出の翌週に、半紙の楷書・行草体、および条幅の楷書・漢字(行草体の創作)の説明があります。そしてその更に翌週に、条幅のかなまじりの説明があります。
書道の場合、現代では使われない漢字(『樂』や『歸』など)がたくさん出てきますし、逆に現代で使う漢字でも使えない漢字(『楽』や『帰』など)もたくさん出てきます。ですので、私からすればお手本をパッと見ると違和感がある文字も出てきますが、そういった文字を丁寧に説明してくれます。新たな発見がたくさんあるので、この説明の時間は私は地味に好きな時間です。
ちなみに今月の半紙の課題は『泌水樂饑』です。読み下すと『泌水(ひすい)に饑(う)えを樂(たの)しむ』となり、現代語訳すると『泉の流れるのを見て楽しみ、飢えを忘れる』ということだそうです。早速『樂』や『饑』などの現代漢字に無い漢字が登場しましたね。
また条幅の課題は『小閣憑欄望遠空 天河横貫斗牛中』です。読み下すと『小閣(しょうかく)、欄(らん)に憑(よ)りて遠空(えんくう)を望めば、天河(てんが)横ざまに貫く斗牛(とぎゅう)の中(うち)』となり、現代語訳すると『小さな横閣の手すりにもたれながら遠い空を望めば、天の川は横一文字に、斗と牛の星座をつらぬいて流れる』ということだそうです。
一見すると全て現代漢字に見えますが、『望』の左上にある『亡』は、『’』と『ヒ』の組み合わせが原型だそうで、少しだけ現代漢字とは異なります。このレベルになって来ると、パソコンの変換では出て来ませんので、分かりにくくてすみません。他にもいくつかあるのですが、私の語彙力では説明するのには限界がありますので、この辺りにさせていただきます。
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『祭姪稿』開始
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そして法帖の方は、顔真卿(がんしんけい)が書かれた『祭姪稿(さいてつこう)』に突入しました。顔真卿は初唐に活躍された書家さんだそうで、めちゃくちゃ有名です。今年初めに取っていた文字考ゼミでも、篆書を楷書にした人、として何度も名前が出てきました(ざっくりな言い方ですし、そもそも間違ってたらすみません)
そんな顔真卿の三稿の一つと呼ばれるのがこの『祭姪稿』で、甥っ子を亡くした悲しみの気持ちを書き表した卒意の書(その時の気持ちのまま書くこと)だそうです。まだ私は終盤まで到達していませんが、最後の方には感極まって誤字が多くなり塗りつぶされている箇所もあるそうです。
ただ文字自体は、さすがの出来栄えです。『稿』の文字が付いている通り、原稿なのでメモ書きみたいなものだったのかもしれませんが、それがこうやって後世まで残るのはすごいです。
肝心の書体は行草体で、太め短めの筆に濃墨を使って臨書していきます。最近、穂が長い筆ばかりだったので短めなのは久しぶりです。更に濃墨を使うのは初めてで、慣れるまでに時間がかかりそうです。濃墨の名前通り、普通の墨汁よりも濃くてドロドロしているため、筆を動かすのが大変です。小学校の頃に、ほとんど水を入れないで絵の具を使った感覚を思い出しました。
競書も法帖もありますが、今月こそは追い込まれないように計画的に課題をこなしていこうと思います。毎月言っている気がしますが。
南無阿弥陀仏
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