帰敬式への準備
こんばんは。
法善寺副住職の中山龍之介です。
今日はお昼過ぎに、大阪に転勤する友人への餞別の品を買うため、銀座の伊東屋に行ってきました。
久しぶりの銀座でしたが、思ったよりも人出が戻っている感じがして嬉しいやら怖いやら。
伊東屋では万年筆とインクを買いました。私は万年筆なんか1本も持っていないのですが、試し書きしてみてそのタッチの良さに驚き、自分用にも欲しくなってしまいました。
大人のたしなみとして、1本くらい持っていても良いはずなので、日を改めて自分用に選んでみようと思います。スーツなんか滅多に着ないくせに、内ポケットからスッと万年筆を取り出して何らかの書面にサインする日を夢見ています。
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帰敬式への準備
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そんな外出があった日でしたが、それ以外の時間のほとんどは帰敬式の準備に充てました。法善寺では昨年から始めた行事ですが、有難いことに思ったよりも反響をいただいています。ちなみに帰敬式とは仏教における『洗礼』のような儀式で、仏道を歩むことを誓い生前法名が授けられます。
帰敬式を始める前から、門徒さんの中から生前法名を求める方がちらほらいらっしゃり、それなら帰敬式という形を取ってきちんと募集してみよう、というのがきっかけでした。昨年の11月が第一回目で、年に2回やろうと思っていたのですが、今年の5月はコロナで断念したため、今回が2回目となります(分かりにくい文章ですみません)。昨年は1枠のみの開催で、そこに受式者を全員集めて行ったのですが、今年はコロナの影響から1家族1枠にして開催することにしました。ですので1日では足りず、11月1日~3日の3日間に分けて行います。
帰敬式を受式される方には法善寺オリジナルのガイドブックをお渡しします(参考:東本願寺)。そのデータは昨年のものを少し手直しする程度ですので、結構前に終わらせていました。しかしそれ以外にも、各個人にお渡しする法名の準備をしなければいけないので、昨日と今日でそれに取り掛かっていました。
お渡しする法名を書いた紙ですが、以前に祖父や父が作ったものが残っておりましたので、その大きさに和紙を切り、同じ形になるように折りました。ここでも、ご先祖様が遺してきたものをありがたく頂いております。今回は10人以上の受式者がいらっしゃるため、この紙を切って折る作業だけでも結構な時間がかかりました。
次に受式者一人一人の法名を考えます。希望する漢字を1文字までは受け付けるようにしていて(宗旨に沿わない場合を除く)、その字と何を組み合わせようかなと頭を悩ませます。人柄が分かればそれを表せるような字を入れたり、仏教の意味に準えるような字を組み合わせたり、院号が付く場合は法名に合うような文字を選んだり、自分なりに色々と悩みながら一人一人考えさせていただきました。
全員分の法名が決まってから、筆を入れていきます。表題(『法名』もしくは『院号法名』)、俗名、法名、あとがき、それぞれを各面に書いていきます。筆と墨で書きますので間違いは許されませんが、案の定何度も間違えてしまいました。その度に紙を作る過程まで戻らなければいけませんでしたので、かなりの時間がかかってしまいました。
そんなこんなで苦戦しながらも、今日中に何とか書き終えることが出来ました。あとは明日、手伝ってくれる若手僧侶と打合せ・リハーサルを行って、明後日の本番を迎える予定です。昨年は司会進行を私が、司式者が住職である父が行っていたのですが、今年は司式者が私となり、司会進行を若手僧侶にやってもらうことになりました。司会進行の方がたくさん話して大変なので、手伝ってくれるのは助かります。ありがたいです。
父が亡くなってから初めての行事ごとです。無事に終えられるように抜かりなく頑張っていきます。独り立ちしているところを親父に見せつけてやります。
南無阿弥陀仏
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