お寺はオワコンなのか
こんばんは。
法善寺副住職の中山龍之介です。
今日までは暑い日が続きましたが、明日からは少し涼しくなりそうです。とは言っても32~33℃、少し昔なら十分真夏の陽気です。熱中症や脱水症状には十分気を付けて過ごしていきましょう。
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テレビはオワコン?
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少し前のブログで書きましたが、コロナに関する『東京 新規感染者○○人』というネットニュースは最近見ないようにしています。検査人数もろくに載せていないし、情報としてあまり意味を感じないからです。私みたいな人が多くなってきたのか、最近は『重症患者は■■名』という情報も追加してきていますが、これも正直あんまり意味が無いと思っています。
今回のコロナで、いかにマスメディアは群衆の心を揺さぶることに尽力しているかが分かった気がします。見出しでインパクトを付けたり恐怖心を煽ったりすれば、確かに見る人は増えるかもしれませんが、それはあくまで一時の話です。そんなことばかりやっていてはメディアとしての信用を無くし続け、長い目で見たときに負けてしまいます。メディアによっては信念持って頑張っているところもあるのかもしれませんが、私達一般人からは大枠で捉えられてしまうのも辛いところです。
もはやテレビに真実があると思っている人はいなくなってきていて、エンタテインメントとしてもYouTubeやNetFlixに劣ってしまい(様々なしがらみで表現に規制がかかっているのも大きな原因だと思いますが)、少なくとも私の中では完全にオワコンになってしまいました。もちろん中には面白い番組もありますが、大局観で見ればゆるーく衰退していくしか道は無いんだろうなと思います。そしてこれは時代の流れもありますが、自分のやっていることによって首を絞められています。
厳しいことを生意気に言いましたが、これは他人事ではありません。お寺業界だって、明日は我が身どころか、すでに我が身です。
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お寺はオワコン?
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少し前であれば、『お坊さん=聖人』みたいなイメージがあったのかもしれません。教師なんかもそうですが『聖職者』と呼ばれて『お坊さんは自分に厳しくて素晴らしい人格者だ』という信用があったように思います。
ただ決してそんなこともなく(そういう人もいますが)、お坊さんだって人間だよね、ていうか普通の人より堕落してない?みたいなことがちらほらバレてきました。先人たちが作り上げた『お坊さん』という信頼の上に、胡坐をかいてしまったんですね。葬儀にしか出てこないお坊さん、葬儀しかしないお坊さん、それ以外は修行どころか遊び呆けている、こういう姿を人は見ているのではないでしょうか。
ただ、現在はそのツケが回ってきて(当然ですが)、こんなことやっているお坊さんは近い将来やっていけなくなります。門徒さんはおろか、我が子にまでその姿を見下され、お寺を継がない選択をする人たちも出て来るのではないでしょうか。他人事みたいに書いていますが、もちろん自分だって例外ではありません。下の世代にカッコいい背中を見せなければいけません。
葬儀やお墓の形も多様化し、門徒さんだって様々な選択肢を持っています。お寺に信頼が無ければ、どんどん人は離れていくように思います。先人たちが築き、そして崩してしまった信頼を、また新たに築かなければいけないのが今のお寺です。『昔の人は良かったな』と思う時もありますが、現代は現代でやりがいがあると思えば楽しくなってきます。
また、葬儀やお墓に関わることだけがお坊さんの仕事ではありません。お坊さんの本分を言えば、仏教を弘めて悩める人々を導くことです。その本分を達成するために、仏教の教えを頂きやすい場所として葬儀やお墓があるだけですので、本分を見間違えなければこれら以外にもやることはたくさんあります。
ただ、いきなり仏教の話をしたって一方通行になってしまいます。たとえ良い話であっても、誰が話したか、というのはとても重要です。『野球は難しい』というセリフも、小学生が言うのとイチローが言うのでは意味合いは全く変わってきます。
まあ私ごときがイチローなんかには成り得ませんが、それでも『より伝えるため』に人となりを門徒さんに知っていただくことは重要です。そのための活動がこのブログや会報誌だったりしますが、やっぱりお墓参りや法事の時の直接のやり取りが一番重要です。と、最近思い始めました。
ほぼ毎週末には法事があり、そして来月にはお彼岸があります。一人でも多くの人とお話して、関係を築いていこうと思います。
お寺に入って約2年半、まだまだ先は長いはずですので一歩一歩頑張っていきます。
南無阿弥陀仏
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